ビジョナリー・ナーシング・リーダーシップ/ ナース・プラクティショナーの役割を拡大し、ヘルスケアの質を高める

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

研究の目的

ナースプラクティショナー(NP)のリーダーシップに影響を与える要因を特定・評価し,リーダーシップ向上のための介入策の効果を検証すること

研究方法

デザイン

探索的・記述的な質的研究デザインを採用

対象者

インド・テランガーナ州の医療機関および教育機関から選ばれた60名のシニア看護管理者を対象に,目的抽出法でサンプリング

データ収集

2024年5月から10月にかけて,量的・質的セクションに分かれた構造化質問票を使用

分析手法

質的データは手動によるテーマ分析で主要テーマを抽出
量的データはSPSSソフトウェアを用い,記述統計,カイ二乗検定,およびANOVA検定で分析

パイロットスタディ

質問票の明確性と妥当性を確保するため,カルナータカ州で事前調査を実施

主要テーマ

  • 看護リーダーシップの影響
  • NP役割拡大の利点に対する認識
  • 役割拡大の障壁とその克服戦略

倫理的配慮

倫理承認を取得し,参加者の機密性を確保

結果

  • 約66.7%の回答者が,NP役割推進における看護リーダーシップの重要性を認識
  • 性別による差異が確認され,女性は男性よりもNP役割拡大の利点(女性: 平均4.2 ± 0.5,男性: 平均3.8 ± 0.6)や支援(女性: 平均3.8 ± 0.6,男性: 平均3.7 ± 0.7)を高く評価
  • 教育背景や現在の職位が,課題や支援に対する認識と有意に関連

結論

  • プライマリケア医師不足がNP主導ケアの必要性を浮き彫りにしている
  • インド看護評議会(INC)はクリティカルケア看護におけるNPプログラムを導入済み
  • NPは特に医療資源が乏しい地域で,診察,軽度疾患の治療,リハビリケア,紹介サービスなど幅広いサービスを効果的に提供できることが証明されている

私見

日本においても,医療過疎地域においては診療看護師(NP)のニーズがあると思うし,できることは多そうに思える。
けど,ここでの課題は,そもそも医療過疎地域に勤務しに行く人がどれくらいいるのか,その地域から診療看護師(NP)を目指す人がどれくらいいるのか,っていうところだろうか。

日本でも,診療看護師(NP)がリーダーシップを取ることのできる場面というのは多いように思われるが,個人的には看護師を含めた他職種からの信頼を得ることの方が先かな,と思う。
SNSや現場を見る限り,成功例は一部のように思えるし,イニシアチブをもつと考えると,まだまだ診療看護師(NP)というよりは個々の人間性が重要なようにみえる。
診療看護師(NP)はあくまで民間資格であるため,グレーゾーンに生かされている側面は否定できない。
そういう意味では,NPの資格の信頼性には差が大きいなぁ,と感じる。

日本の現状において,診療看護師(NP)のリーダーシップに影響を与える要因は,

  • 多職種からの信頼
  • 個人としての人間性

じゃないかなぁ。