STREAMLINE パイロット研究 AIを介した記録支援による記録時間の短縮と効率化に関する研究

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

目的

音声AIツール「DAX CoPilot(DAX)」の使用が、プライマリケアにおける診療記録効率に与える影響を評価

方法

対象

家庭医・内科・小児科・救急の医師、NP、PA 計45名

グループ分け

  • DAX使用群(N = 25):標準化テンプレートでDAXを使用
  • 対照群(N = 20):従来通りの記録方法を継続

期間

3か月間

指標:Epic(電子カルテ)上の標準・カスタムメトリクスを使用

  • 全診療タイプ
  • 問題中心の診療に特化した記録効率も評価

結果

DAX使用頻度に基づき、事後的に3群へ分類

  • 低頻度使用群(<45%):N = 12
  • 中頻度使用群(45–69.9%):N = 6
  • 高頻度使用群(≥70%):N = 7

高頻度使用群で顕著な変化

  • 問題中心診療の記録において、DAXによる自動生成が全文字数の中央値50%
  • 1回あたりの記録時間:1.4分短縮(p = 0.38)
  • 記録文字数:35%削減(p = 0.38)
  • 対照群では記録指標に大きな変化なし

結論

DAXの高頻度使用は、診療記録効率の改善に寄与する可能性あり

実装にあたっては、以下が重要

  • DAXの使用頻度
  • ノートテンプレートの設計
  • 導入範囲の明確化

今後の課題

バーンアウトなど他のアウトカムへの影響検討

私見

DAX CoPilot(DAX)とは?

正式名称: Dragon Ambient eXperience CoPilot

開発元: Nuance Communications(ナンス・コミュニケーションズ) → 2022年にMicrosoftに買収され、現在はマイクロソフト傘下で展開中。

何をするツール?

診療中の会話(医師と患者)を“環境音”としてAIが自動で聴き取り、診療記録をリアルタイムで作成する。 - 患者との会話を常時録音(許可制) - 会話の文脈をAIが理解 - SOAP形式などで電子カルテ用のノートを自動生成 - 医師が後から修正・承認するだけで記録が完成

実際の効果(今回の研究などから)

  • ノート作成にかかる時間が平均1〜2分短縮
  • 記録文字数が30〜35%減
  • 特に問題志向型診療(Problem-Focused Visits)で効果が顕著

今後の展望

  • 医師のバーンアウト対策として期待される
  • より自然言語処理が進化すれば、問診〜記録〜指示出しがAIで完結する可能性も
  • 日本語対応やEMRとの連携が実現すれば、日本でも普及の可能性あり

やっぱりAIを活用することで日常業務は改善できてる。
日本にもAIでカルテ入力できるサービスは普及してきてるみたいだけど、僕はみたことない。
X見てると先生の中にもAIに精通している方が多数いらっしゃるし、普及が始まったら早いのかな。
サマリーとか紹介状とかはさっさとAI導入した方が良さそうだけどな。
特に小さい病院とかだと、専門性の高い病院に紹介するときにタイムロスが出ちゃうから、そこは早めに解決できるといいよね。
これだけ生成AIが発達してきてるから時間の問題だと思うけど。