目的
急性冠症候群(ACS)の70歳以上の高齢患者に対し、早期侵襲的治療戦略(カテーテル検査・治療など)と保存的治療戦略(薬物療法など)のどちらが臨床転帰(アウトカム)に優れているかを評価する。
方法
データソース: MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを含む9つのデータベースを、創設から2024年10月まで系統的に検索した。
研究の選択
70歳以上のACS患者を早期侵襲的治療群と保存的治療群に無作為に割り付けたランダム化比較試験(RCT)を対象とした。
主要評価項目
全死因死亡。
#副次評価項目
再発性心筋梗塞、再度の冠動脈血行再建術、大出血、心血管死など。
主要な発見
全死因死亡
早期侵襲的治療戦略は、保存的治療戦略と比較して、全死因死亡の有意な減少とは関連していなかった(相対リスク [RR] 1.05)。
副次評価項目
#再発性心筋梗塞
- 早期侵襲的治療戦略は、再発性心筋梗塞のリスクを22%減少させた(RR 0.78)。
- 再度の冠動脈血行再建術: 早期侵襲的治療戦略は、再度の血行再建術のリスクを57%減少させた(RR 0.43)。
#大出血
早期侵襲的治療戦略は、大出血のリスクを増加させた(RR 1.60)。
その他の副次評価項目には有意な差は見られなかった。
結論
- ACSの高齢患者において、早期侵襲的治療戦略は、全死因死亡を減少させることとは関連していなかった。
- ただし、再発性心筋梗塞や再度の血行再建術のリスクは減少させた一方、大出血のリスクは増加させた。
- 高齢のACS患者の治療方針を決定する際には、早期侵襲的治療戦略に伴うリスクとベネフィットを慎重に比較検討する必要がある。
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