目的
緩和ケアを受けている進行がん患者で、興奮・焦燥を伴う持続的せん妄がある人に対し、定時投与のハロペリドール、ロラゼパム、その併用療法、そしてプラセボが、せん妄症状にどのような影響を与えるかを比較する。
方法
対象
非薬物療法や標準用量のハロペリドールでも症状が改善しない進行がん患者111人を対象に、75人が盲検下での治療を受けた。
介入
- 以下の4つのグループに1:1:1:1の比率で無作為に割り付けた。
評価項目
主な評価項目は、最初の24時間における鎮静の度合い(Richmond Agitation-Sedation Scale [RASS] スコアの変化)。
主要な発見
鎮静効果
レスキュー薬の使用
ハロペリドール単独群とプラセボ群に比べ、ロラゼパム単独群と併用療法群では、急な興奮や焦燥に対するレスキュー薬の使用が少なかった。
安全性
有害事象の発生率や生存期間に、グループ間で違いはなかった。
結論
このランダム化臨床試験の結果は、緩和ケアを受けている進行がん患者の興奮性せん妄に対し、特にロラゼパムをベースにした定時投与の鎮静剤を積極的に使用することで、持続的な興奮や焦燥を軽減できる可能性を示している。
リンク