薬物感受性結核に対するクロファジミンおよびリファペンチンを含む3ヶ月レジメンと標準治療の比較(Clo-Fast):無作為化、非盲検、第2c相臨床試験

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背景

  • 前臨床および臨床研究の結果に基づき、イソニアジド、リファペンチン、ピラジナミド、エタンブトール、クロファジミンの5剤併用療法は、薬物感受性結核の治療期間を短縮する可能性を持つことが示唆されていた。
  • Clo-Fast試験は、この3ヶ月間の短縮レジメンの有効性と安全性を、標準的な6ヶ月レジメンと比較することを目的とした。

目的

以前に治療を受けていない薬物感受性肺結核患者を対象に、クロファジミンローディングドーズを含む3ヶ月の多剤併用レジメン(リファペンチン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトール、クロファジミン)の有効性と安全性を、標準的な6ヶ月レジメン(リファンピシンを含む)と比較し、評価すること。

方法

  • 5カ国6施設で実施された第2c相非盲検無作為化試験である。
  • 参加者は、短縮レジメン群(グループ1、n=58)と標準レジメン群(グループ2、n=31)、および薬物動態(PK)評価のためのグループ3(n=15)に無作為に割り付けられた。
  • グループ1は、クロファジミンのローディングドーズを含む8週間の5剤併用後に、5週間の4剤併用(合計13週間)を受けた。グループ2は、標準的な4剤併用8週間後に2剤併用18週間(合計26週間)を受けた。
  • 主要有効性評価項目は12週目までの喀痰培養陰性化までの時間、主要安全性評価項目は65週目までのグレード3以上の有害事象の割合であった。

結果

  • 臨床的有効性の不足のため、本試験は早期に中止となった。
  • 主要有効性評価項目(12週目までの喀痰培養陰性化):短縮レジメン群(89%)と標準レジメン群(90%)の間で、統計的な差は認められなかった(p=0.2089)。
  • 主要安全性評価項目(グレード3以上の有害事象):短縮レジメン群で45%と、標準レジメン群の16%と比較して有意に高かった(差30%、p=0.002)。
  • 好ましくない転帰:65週目までの好ましくない臨床的または細菌学的転帰の累積確率は、短縮レジメン群(52%)が標準レジメン群(27%)よりも有意に高かった(p=0.049)。

結論

  • 本試験は早期に中止されたが、クロファジミンとリファペンチンを含む3ヶ月レジメンの12週目の培養陰性化率は、標準治療と統計的に差がなかった。
  • しかし、この短縮レジメンは、許容できないほど高い割合の好ましくない複合臨床転帰とグレード3以上の有害事象と関連していることが判明した。