C3腎症患者に対する経口イプタコパン療法:無作為化、二重盲検、並行群間、多施設、プラセボ対照、第3相試験

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背景

  • C3腎症(C3G)は、補体代替経路の過剰な活性化によって引き起こされる、非常に稀で重篤な糸球体腎炎である。
  • イプタコパン(LNP023)は、補体カスケードの代替経路を選択的に阻害する、経口投与可能な近位補体阻害薬であり、その有効性と安全性を評価することが目的とされた。

目的

C3腎症患者において、支持療法(RAAS阻害薬など)および免疫抑制療法に追加したイプタコパン(LNP023)の有効性と安全性を、プラセボと比較して評価すること。

方法

  • 18か国35施設で実施された、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の第3相試験(APPEAR-C3G試験)。
  • 生検でC3腎症が確認され、血清C3濃度が低下しており、尿蛋白・クレアチニン比(UPCR)が1.0 g/g以上、eGFRが30 mL/min/1.73 m²以上である成人を組み入れた。
  • 参加者は、イプタコパン200mgを1日2回経口投与する群とプラセボ群に1対1で無作為に割り付けられた(6ヶ月間の二重盲検期間)。
  • 主要評価項目は、6ヶ月時点での蛋白尿の相対的な減少(24時間尿収集によるUPCRのベースラインからの対数変換比で測定)であった。

結果

  • 74人の参加者が無作為に割り付けられた(イプタコパン群38人、プラセボ群36人)。
  • 主要評価項目達成: イプタコパン群は、プラセボ群と比較して24時間UPCRに35.1%の相対的減少を示し(p=0.0014)、主要評価項目を達成した。
    • イプタコパン群のUPCR変化率は、ベースラインから-30.2%であったのに対し、プラセボ群は+7.6%であった。
安全性
  • 治療中に発現した有害事象は、イプタコパン群で79%に認められたが、ほとんどが軽度または中等度であった。
  • 治療中止に至った有害事象や死亡例、髄膜炎感染症は認められなかった。
  • 重篤な有害事象の報告は、イプタコパン群(8%)がプラセボ群(3%)よりわずかに多かった。

結論

  • イプタコパンは、C3腎症患者に対し、支持療法や免疫抑制療法に追加することで、6ヶ月時点で統計的に有意かつ臨床的に意味のある蛋白尿の減少を示した。
  • イプタコパンは、許容可能な安全性プロファイルを有し、忍容性が高いことが示された。