背景
- 大うつ病性障害(MDD)は非常に有病率の高い精神疾患であり、大きな障害と経済的負担をもたらしている。
- 既存の第一選択薬は存在するものの、患者の50%から60%は忍容性がなかったり、反応しなかったりする。
- アンモキセチンは、セロトニンとノルエピネフリンの再取り込みを強力に阻害する新規の選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SSNRI)であり、有害事象や肝毒性を軽減し、忍容性と有効性を向上させる可能性が示されている。
目的
成人の大うつ病性障害(MDD)患者に対するアンモキセチンの有効性と安全性を評価すること。
方法
- 中国の15施設で実施された多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、固定用量による第2相無作為化臨床試験。
- 18歳から65歳のMDD患者239人が組み入れられ、以下の3群に1:1:1で無作為に割り付けられた。
- アンモキセチン 40 mg/日群(80人)
- アンモキセチン 60 mg/日群(80人)
- プラセボ群(79人)
- 主要評価項目は、ベースラインから8週目までのMADRS(Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale)合計スコアの変化量とされた。
結果
- 8週目において、両方のアンモキセチン用量でプラセボと比較してMADRS合計スコアが統計学的に有意に改善した。
- 有害事象の発生率は、アンモキセチン60 mg/日群で85.0%、40 mg/日群で78.8%、プラセボ群で60.8%であり、アンモキセチン群で高かったが、大半は軽度から中等度であった。
結論
- この無作為化臨床試験は、大うつ病性障害患者において、アンモキセチンの40 mg/日および60 mg/日の両用量がプラセボに対する優位性を示した。
- 加えて、すべての用量のアンモキセチンは、概ね忍容性が高いことが示された。
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