背景
- オリゴ転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する転移標的療法(MDT)の役割は不明確なままであった。
- PCS-9試験は、定位放射線治療(SBRT)を標準的な全身療法に追加することによる有益性を評価することを目的とした。
目的
- オリゴ転移性CRPC患者に対し、標準的な全身療法(アンドロゲン除去療法[ADT]とエンザルタミド[ENZA]の併用)にSBRTを追加することが、画像上の無増悪生存期間(rPFS)を延長させるかを検証すること。
方法
- カナダの13の施設で実施された、非盲検、無作為化、第2相臨床試験。
- ADT後に病勢が進行した、組織学的に確認されたオリゴ転移性CRPC患者(転移巣が5個以下)を組み入れた。
- 患者は以下の2群に1対1で無作為に割り付けられた。
- ADT+ENZA(標準全身療法)群(n=49)
- ADT+ENZA+SBRT(全オリゴ転移巣への照射)群(n=53)
- 主要評価項目は、画像上の無増悪生存期間(rPFS)であった。
結果
- 中央値4.8年の追跡期間後、ADT-ENZA単独群と比較して、ADT-ENZA-SBRT併用群は画像上の無増悪生存期間を有意に改善した(ハザード比0.48; p=0.014)。
- rPFSの中央値は、併用群で4.6年、単独群で2.3年であり、約2倍の延長が認められた。
安全性
- グレード3の治療関連有害事象で最も多かったのはインポテンス(勃起不全)であった。
- グループ間で毒性プロファイルに大きな差は見られず、グレード4の毒性や治療関連死は発生しなかった。
結論
- SBRTをADT-ENZAと組み合わせることで、オリゴ転移性CRPCの病勢コントロール期間が延長することが実証された。
- これらの知見は、オリゴ転移性CRPCの治療パラダイムにSBRTを組み込むことを支持するものである。
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