背景
- 片頭痛の予防治療には、効果的で忍容性の高い選択肢が依然として少ない。
- アンジオテンシン受容体拮抗薬であるカンデサルタンは、小規模な研究でその有望な効果が示されていた。
- 本研究は、エピソード性片頭痛の予防治療薬としてのカンデサルタンの安全性、忍容性、および有効性を評価することを目的とした。
目的
エピソード性片頭痛の成人患者に対し、カンデサルタンが片頭痛日数を減少させるか、および安全性と忍容性を検証すること。
方法
- ノルウェーの9病院とエストニアの1病院で実施された、無作為化、トリプルブラインド、プラセボ対照、第2相試験。
- 1ヶ月あたり2回から8回の片頭痛発作を経験する18歳から64歳の成人534人が登録された。
- 参加者は、カンデサルタン16 mg、カンデサルタン8 mg、またはプラセボを1日1回、12週間経口投与する群に1:1:1で無作為に割り付けられた。
- 主要評価項目は、ベースラインから9〜12週目までの4週間あたりの片頭痛日数の平均変化量とされた。
結果
片頭痛日数の減少
- カンデサルタン16 mg群では、片頭痛日数の平均減少は2.04日であった。
副作用
- カンデサルタン16 mg群で最も一般的な有害事象はめまいであり、プラセボ群(13%)と比較して高頻度であった(30%)。
- グレード3の重篤な有害事象は、カンデサルタン16 mg群で4人(3%)に報告された。有害事象による治療中止は、カンデサルタン16 mg群とプラセボ群で同数(4人、3%)であった。
結論
- カンデサルタン16 mgの連日投与は、エピソード性片頭痛の予防治療として有効で、かつ忍容性が高いことが示された。
- この結果は、カンデサルタンが片頭痛予防のための臨床的に意義のある、エビデンスに基づいた選択肢であることを裏付けるものであるが、長期的な有効性を評価するためには、さらなる臨床試験が必要である。
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