背景
- リファステニゾール(TNP-2198)は、H. pylori感染症治療のために開発された新規分子化合物であり、相乗的な二重作用機序を持つ。
- 治療歴のないH. pylori感染患者において、リファステニゾールベースの三剤療法(RTT)とビスマス・クラリスロマイシンベースの三剤療法(BCTT)の有効性と安全性を評価することを目的とした。
目的
H. pylori感染の未治療患者を対象に、リファステニゾールベースの三剤療法が、標準的なビスマス・クラリスロマイシンベースの三剤療法に対して、非劣性(効果が劣らないこと)を示すかを検証すること。
方法
- 中国国内40の医療機関で実施された、第3相、無作為化、トリプルダミー、二重盲検、非劣性試験。
- H. pylori感染が確認された18〜65歳の未治療患者700人を対象とした。
- 患者は、RTT(リファステニゾール+アモキシシリン+ラベプラゾール)群とBCTT(ビスマス+クラリスロマイシン+アモキシシリン+ラベプラゾール)群に1対1で無作為に割り付けられた。全ての薬剤は1日2回、14日間投与された。
- 主要評価項目は、治療終了後4〜6週の時点でのH. pylori除菌率とされた(非劣性マージン:-10%)。
結果
除菌率
- RTT群の除菌率は92.0%(351人中323人)、BCTT群の除菌率は87.9%(346人中304人)であった。
- RTT群の除菌率はBCTT群に対して非劣性であり、絶対差は4.2%と、数値上は優れていた。
薬剤耐性
検査可能な患者のうち、41%がクラリスロマイシン耐性を示したが、リファステニゾールに対して耐性を示す臨床分離株はなかった。
有害事象
有害事象の発生率は、RTT群(37%)がBCTT群(53%)より低かった。 * BCTT群で最も多かったのは味覚異常(36%)であったのに対し、RTT群では下痢(7%)であった。 * 重篤な治療関連有害事象は報告されなかった。
結論
- H. pylori感染症のために特化して開発された初めての新規抗菌薬として、リファステニゾールは抗菌薬耐性の問題に対処するための有望な追加選択肢である。
- リファステニゾールベースの三剤療法(RTT)は、H. pylori感染症の一次治療として有望な選択肢となる。
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