GLP-1受容体作動薬の心血管効果と忍容性:99,599人の患者を対象とした系統的レビューとメタアナリシス

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背景

  • グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RAs)は、特に糖尿病患者において顕著な心血管系(CV)の有益性を示してきた。
  • しかし、多様な患者集団における異なるGLP-1 RAsの安全性と有効性の全容については、これまでのメタアナリシスでは十分な定義がなされていなかった。

目的

21件の無作為化比較対照試験(RCT)から最新のエビデンスを統合し、GLP-1 RAsの死亡率および主要有害心血管イベント(MACE)に対する効果、ならびに安全性を評価し、その知見を多様な集団(糖尿病、腎機能、肥満、心不全など)間で比較すること。

方法

  • GLP-1 RAsと対照薬またはプラセボを比較したRCTを組み入れた。
  • 糖尿病、腎機能、肥満、心不全などの事前規定されたサブグループ解析を実施した。
  • 主要な評価項目は、全死因死亡、心血管死、試験で定義されたMACE、および重篤な有害事象とされた。
  • エビデンスの確実性を評価するためにGRADE法が、結果の決定性を評価するために試験逐次解析が実施された。

結果

  • 合計21件の試験、99,599人の患者が組み入れられた。
  • 平均追跡期間は2.4年であった。
主要アウトカムの改善
  • GLP-1 RAsは対照群と比較して、以下の項目を減少させるという決定的な、確実性の高いエビデンスが認められた。
    • 全死因死亡の減少(発生率比 [IRR] 0.88; 治療必要数 [NNT] = 121)
    • 心血管死の減少(IRR: 0.87; NNT = 170)
    • MACEの減少(IRR: 0.87; NNT = 66)
その他の有益な効果
有害事象

GLP-1 RAsは、消化器系障害(+63%)および胆嚢障害(+26%)を増加させた。

差がなかったアウトカム

脳卒中、膵炎、または悪性腫瘍に関しては、両群間で差はなかった。

サブグループ解析

結果はほとんどのサブグループで一貫していたが、GLP-1 RAの種類によっては、有効性および安全性プロファイルに潜在的な違いがあることが示唆された。

結論

  • GLP-1 RAsは、高リスク集団において、血糖コントロールを超えた有益性を示し、死亡率およびMACEを減少させる。
  • これらの有益性は、消化器系および胆嚢のリスク増加を伴う。
  • 有効性と忍容性の違いがあるため、個々の患者特性と治療目標に合わせてGLP-1 RA療法をテーラリング(個別化)することが支持される。