RACにおける多要素『入院回避』プログラムの影響：ステップドウェッジ・クラスター無作為化試験

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

背景

介護施設（RAC）では救急受診や入院が多く、ケアの質と医療資源の観点から抑制が課題

目的

多要素の『入院回避』介入が、入院ベッド日数/100入居者日を減らすかを検証する

方法

デザイン

前向きのステップドウェッジ・クラスター無作為化試験

設定・対象
  • オーストラリア・クイーンズランド州のRAC 11施設
  • 介入の対象は看護職員と介護職員。アウトカムは入居者全員から収集
介入

対面トレーニング、診断機器の提供、意思決定支援ツール、実装支援の4要素を組み合わせたプログラム

主要転帰
  • 入院ベッド日数/100入居者日
  • 二次転帰：救急部（ED）搬送、入院率、在院日数

結果

主要

入院ベッド日数 推定比 1.13［95%CI 0.93–1.74、P=0.137］で有意差なし

ED搬送

0.92［0.74–1.14、P=0.462］（減少傾向）

入院率

1.10［0.84–1.44、P=0.486］（増加傾向）

在院日数

1.04［1.00–1.07、P=0.055］（境界）

結論

  • 介入は統計学的な改善を示さず、ED搬送は抑制の兆しがある一方、入院とベッド日数は増加傾向。
  • 新規実装時の文脈（COVID-19期の人員・業務負荷）が効果推定に影響した可能性が高い。